耐性菌感染症に立ち向かうAIナノポア
新型コロナウイルスの流行で、私たちはウイルスの脅威を身近に感じました。しかし、世界中でより深刻な問題となっているのが、細菌による感染症です。特に、従来の抗生物質が効かなくなった「耐性菌」による感染症は、世界的な課題となっています。
世界保健機関(WHO)は、このまま耐性菌対策が進まなければ、2050年には耐性菌感染症ががんを上回り、最大の死因になると警告しています。
現在の主流である細菌検査法は、結果が出るまでに1週間ほどかかる「培養法」です。しかし、感染が疑われる場合は、すぐに原因菌を特定し、適切な薬を投与しなければ命に関わることがあります。特に、耐性菌を迅速に特定することは極めて重要ですが、低コストで素早く検査できる方法がありませんでした。
そこで私たちは、AIナノポアを細菌検査に応用する研究開発を進めています。