ナノギャップ -Nanogap

>CHALLENGE

半導体の限界と分子デバイスへの挑戦

私たちが普段使っているあらゆる電子機器には、半導体デバイスが欠かせません。これまで、半導体は「ムーアの法則」に従い、小型化と高性能化を繰り返してきました。しかし、この微細化には限界が見え始めています。

>BARRIER

半導体微細化の壁

微細化を進めるたびに、新しい工場を建てるために莫大な費用がかかります。また、最終的に原子1個のレベルまで小さくすると、製造コストが跳ね上がるだけでなく、物理的な問題で正常に動作しなくなることも予測されています。このように、半導体の微細化は経済的にも物理的にも限界が近づいているのです。

>NEXT OPTION

次世代の選択肢 ー 分子デバイス

そこで注目されているのが、分子デバイスです。これは、1ナノメートル(nm)ほどの小さな分子1つを利用した次世代のデバイスで、低コストで製造できる可能性を秘めています。

>APPROACH

技術的な課題と私たちの取り組み

分子デバイスを実現するためには、10nm以下の非常に狭い隙間(ナノギャップ)を持つ電極を、高い精度で安定して作製する技術が必要です。この技術はまだ確立されていません。 私たちは2004年から、電子線描画装置を使ったナノギャップ電極の研究開発を進めてきました。企業と協力し、装置の性能を向上させ、ビーム補正技術や蒸着技術を改良することで、現在ではシリコン基板上に10nm未満のナノギャップ電極を作れるようになっています。 さらに、私たちは1nmのナノギャップ電極を、より高い再現性、精度、そして歩留まりで量産できる技術の開発に挑戦しています。

10nm
5nm
1nm